透析患者の受け入れ支援を送迎以外にも拡大

社会保険研究所の発表・報道によると、厚生労働省は11月2日の第273回社会保障審議会介護給付費分科会で、2027年度(令和9年度)の介護報酬改定に向けて介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)の論点を示しました。論点は、透析患者の受け入れ・支援の評価、配置基準等の解釈の明確化、経過的小規模施設の基本報酬、加算の整理・簡素化、安定的な事業運営のための職員配置の5項目です。

透析患者については、令和6年度改定で新設された特別通院送迎加算を見直し、医療機関との連携体制を確保した送迎を含む一連の支援を総合的に評価する案が出ました。厚労省は、特養入所者のうち透析を必要とする人の割合が1.6%にとどまると説明しています。想定する支援は、施設での健康観察、体液管理、服薬管理などです。

小泉立志委員は賛成しつつ、シャント血管の管理などを担う看護職員の負担に見合う評価を求めました。奥塚正典委員は地域差に応じた柔軟な要件を、今村文典委員は透析後の生活支援の評価をそれぞれ求めています。

加算の統合・廃止と1年間の経過措置

報酬体系の簡素化として、退所時等相談援助加算に含まれる退所前訪問相談援助加算、退所後訪問相談援助加算、退所時相談援助加算、退所前連携加算の4加算と、在宅復帰支援機能加算が統合・整理の対象です。算定事業所が少なく、趣旨も共通するためとされています。在宅・入所相互利用加算と、地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護の小規模拠点集合型施設加算は廃止案が示されました。いずれも1年間の経過措置を設ける提案です。

小泉委員は経過措置の確実な実施を求めました。今村委員は、算定率の低さだけで必要性を判断することに慎重であるよう指摘しています。

その他の論点

ケアマネジャーの兼務については、併設事業所の業務のうち本体施設の業務と一体不可分なものは兼務できると明確化する案です。山名宗悟委員は柔軟な運用を求め、平山春樹委員は業務負担の増加を懸念しました。入院時の空床確保は、一律3か月を求める趣旨ではないと運営基準に明記する案が出ています。

経過的小規模施設は、離島・過疎地域以外で基本報酬を見直す一方、離島・過疎地域では令和9年度改定での見直しを見送る案です。職員配置では、入所者数の「前年度の平均値」の解釈が論点となり、具体策は横断的事項の審議で扱う方針です。

現場への含意

編集部の見立てとして、対象加算を算定している施設は、経過措置の1年間に統合後の算定要件と収益への影響を試算しておく必要があります。透析患者の受け入れを検討する施設は、看護職員の配置や協力医療機関との連携体制が評価要件になる可能性があり、今後示される要件を見て人員計画を組むことになりそうです。