厚労省が示した特定事業所加算の見直し案

ケアマネドットコムの発表・報道によると、2027年度の介護報酬・基準改定に向けた居宅介護支援の議論は第2クールに入り、「特定事業所加算の見直し」と「主任ケアマネの位置づけ」について具体的な対応案が示されました。特定事業所加算とは、質の高いケアマネジメントを行う事業所を評価する加算です。

厚労省案では、要介護3~5の利用者が40%以上という重度者要件を廃止するとしています。この要件は以前から、算定に至らない大きな要因と指摘されてきました。厚労省は、要介護度別のケアマネの労働投入時間に大きな差はなく平準化しているとも分析しています。加算の主目的は、利用者要件よりも手厚い人員配置の評価に置くとのことです。

小規模事業所の算定促進を狙った区分Aも、算定率が2%を下回るため、1年の経過措置を置いたうえで廃止を提案されています。あわせて、区分Aの要件だった「24時間対応」や「研修実施」における他事業所との連携を、他の区分にも適用する案です。

協働化・大規模化という狙いと波及の可能性

記事の筆者である介護福祉ジャーナリストの田中元氏は、重度者要件が廃止された場合、区分Aから区分I~IIIへ移るには常勤の主任ケアマネとケアマネの配置が鍵になると指摘します。区分IIIでも、原則として常勤・専従のケアマネ2人以上と主任ケアマネ1人以上、計3名が必要です。事業所内の他職種との兼務は、利用者に支障がなければ可能です。

ケアマネが集まりにくい中で、1年で体制を整えるのは難しいと予想されます。田中氏は、この経過措置は新規募集というより、他事業所との合併を進める期間と位置づけられているのかもしれないと見ています。保険者の仲介が機能すれば、募集より確実性が高い可能性もあるとしています。

同氏はさらに、重度者要件の廃止理由として負担の平準化が掲げられれば、要介護1・2と3以上に分かれた基本報酬区分の見直し論につながり得ると述べています。その場合は、負担を左右しやすい対医療連携の評価が大幅に再編される流れも想定されるそうです。

特定事業所医療介護連携加算では、小規模事業所が算定回数の要件を満たしにくいという課題があり、連携事業所間で回数を合算する見直しも考えられるとしています。2026年度の診療報酬改定では、介護支援等連携指導料に、医療機関とケアマネの平時からの連携を要件とする新区分が設けられました。連携先が地域の中核事業所になれば、その周辺で協働化が進む可能性があります。2027年度予算の概算要求にある、訪問時の同行者派遣やネットワーク構築も、同様の受け皿が想定されるかもしれないとのことです。

小規模事業所への含意(編集部の見立て)

区分Aで算定している小規模事業所は、経過措置の1年のうちに、採用で3名体制を目指すのか、近隣事業所との合併や連携に動くのかを決める必要があります。経営者は、24時間対応や研修で連携できる事業所を、案が正式決定される前から洗い出しておくのが現実的です。