分科会で示された訪問看護の見直し案
GemMedの発表・報道によると、10月19日の社会保障審議会・介護給付費分科会で、介護保険の訪問看護について、理学療法士等による訪問看護の更なる適正化(報酬引き下げ)と、D to P with Nの介護報酬での評価を行う方向性が議論されました。薬剤師や管理栄養士による居宅療養管理指導を実施しやすくする案も話題になっています。
厚生労働省老健局老人保健課の堀裕行課長は、2027年度改定に向けて13項目の対応案を提示しました。2026年度診療報酬改定との整合性を保ちつつ、良質な訪問看護ステーションの評価を充実させ、不適切なサービスは是正する内容です。
主な項目
診療報酬と同様の扱いとするものとして、事故発生時等の安全管理体制に関する研修受講が望ましい旨の運営基準への追加、利用者宅の残薬確認と医師・薬剤師等への報告を要件化すること、重症な難治性皮膚疾患の利用者を特別管理加算IIと長時間訪問看護加算の対象とすること、ICTを用いた地域の医療機関等との情報連携の評価などがあります。D to P with Nによるオンライン診療補助の評価もこの一環です。
そのほか、夜間の月初回訪問で緊急時訪問看護加算を算定する場合にも早朝・夜間加算、深夜加算を算定可能にする案、看護体制強化加算のターミナルケア要件(直近12か月で5人以上)に医療保険の訪問看護ターミナルケア療養費を数える案、専門性の高い看護師による認知症ケアを専門管理加算の対象にする案が出ています。サテライト事業所については、一体的運営の具体的な要件の目安を自治体に示す方針です。
一方、算定率が1%未満の介護予防訪問看護の初回加算(I)は簡素化し、看護体制強化加算の経過措置は、2026年8月1日時点で利用事業所がないため終了する案です。住まいの形態に応じた評価は、横断的事項として別途検討されます。
D to P with Nの評価と実態のずれ
D to P with Nは、訪問看護師が患者宅でオンライン診療の場に付き添い、医師への状況説明や診療の補助、患者への説明の補足を行う形態です。2026年度診療報酬改定では、訪問看護遠隔診療補助料などが新設されました。
介護報酬では2027年度改定までの臨時対応として、予定された訪問看護がない場合に月1回、所要時間20分未満で、訪問看護ステーションは314単位、病院・診療所は266単位を算定します。介護予防訪問看護費はそれぞれ303単位、256単位です。厚労省の調べでは、医師の診察・診療補助自体は平均9.7分ですが、前後の対応を含めると平均35.9分かかり、臨時対応は実態を十分に評価できていません。日本看護協会の田母神裕美委員も対応の検討を求めました。
理学療法士等による訪問看護についても、提供体制や実績を踏まえた評価の見直しが提案されています。
【編集部の見立て】リハ職中心で運営する訪問看護ステーションの経営者は、2027年度改定の報酬引き下げ幅が固まる前に、収益構造への影響を試算しておく必要があります。D to P with Nに取り組む事業所は、前後対応を含む実際の所要時間を今のうちから記録しておくと、今後の報酬設計の議論で現場実態を示す材料になるでしょう。