基本報酬の引き上げを重点に要望書を提出
介護ニュースJointの発表・報道によると、自民党の「地域の介護と福祉を考える参議院議員の会」(末松信介会長)は30日、来年度の介護報酬改定に向けた要望書を片山さつき財務相へ提出しました。基本報酬の引き上げを重点とし、毎年上昇する物価や賃金の予測を踏まえたプラス改定を求める内容です。
議連は、物価高騰や人件費上昇でコストが膨らみ、公定価格(国が定める介護報酬)のもとで運営する介護事業所・施設の経営が深刻に圧迫されていると指摘しました。今年度の期中改定は介護従事者の処遇改善が中心で、事業者の経営を本質的に支える措置は、一部の補助金などを除いて「なお手つかず」だと問題提起しています。「まさに介護崩壊目前」との危機感も示しました。
処遇改善と生産性向上にも言及
処遇改善については、他産業の賃上げの率と額を考慮し、遜色のない賃上げに必要な財源の確保を訴えました。あわせて、処遇改善加算などの算定要件や事務を可能な限り簡素化し、現場の負担軽減と加算の活用促進を図ることも求めています。
生産性向上の推進策では、介護テクノロジーの導入にかかるイニシャルコスト(初期費用)だけでなく、継続的な活用にかかるランニングコストも考慮した措置を要請しました。
幹事長にも同じ要望書、5団体が同行
議連は29日、自民党の鈴木俊一幹事長にも同じ要望書を提出しています。この際には、全国老人保健施設連盟、全国介護事業者連盟、全国老人福祉施設協議会、全国介護事業者協議会、介護人材政策研究会の5団体が同行しました。
現場への含意(編集部の見立て)
今回の要望は、賃上げ原資だけでなく事業所の経営基盤そのものを支える基本報酬の水準が論点になっていることを示しています。ただし、これは議連から財務相らへの要望の段階で、改定内容が決まったわけではありません。経営者や事務担当者は、処遇改善加算の算定要件や手続きの簡素化が実際に盛り込まれるかどうかを、改定の議論の中で確認しておく必要があります。また、介護テクノロジーの導入を計画する事業所は、初期費用に加えて運用費も含めた費用で試算しておくと、今後の措置の内容と比べやすくなります。