物価高を踏まえ、単価の引き上げを検討
介護ニュースJointの発表・報道によると、厚生労働省は来年度の介護報酬改定に向け、デイサービスの「入浴介助加算」を見直す方針を固めました。水道光熱費を含む物価の高騰を踏まえ、単価を引き上げる方向で調整しています。事業所の経営の安定化や人材の確保につなげたい考えとされています。
方針は14日、改定に向けた協議を進めている社会保障審議会・介護給付費分科会で示されました。今後さらに具体的な議論を重ね、年内にも施策の大枠を固める流れです。
対象は通所介護、地域密着型通所介護、認知症対応型通所介護です。現行の単価は、下位区分の加算Ⅰが1日40単位、上位区分の加算Ⅱが1日55単位です。厚労省は審議会で、この単価が物価高で「実態に見合っていない」と指摘し、事業所の運営に「大きな影響を与えている」と課題を示しました。どれだけ引き上げるかは、今後の議論の焦点です。
加算Ⅱは訪問要件の緩和も
加算Ⅱは、利用者が自力で、あるいは家族やヘルパーらの介助を受けて、自宅でも入浴できるよう支援する事業所を評価する仕組みです。現行の算定要件では、原則として医師らが利用者宅を訪問し、浴室の環境などを把握・評価することが求められます。これに対し現場からは、専門職の確保や連携、訪問時間の確保が難しいとの声が上がっていました。
現行制度にも例外はあります。医師らの訪問が困難な場合に限り、医師らの指示で介護職員が利用者宅を訪問し、情報通信機器などで把握した利用者の動作や浴室の環境をもとに、医師らが評価・助言する方法が認められています。厚労省は今回、この方法を「訪問が困難な場合」に限定せず、より柔軟に認める案を示しました。
現場への含意(編集部の見立て)
加算Ⅱを算定していない事業所にとっては、要件緩和で取得のハードルが下がる可能性があります。ただし単価の引き上げ幅や緩和の詳細は未定のため、収支への影響を試算するのは具体案が出てからになります。年内に大枠が固まる見通しなので、管理者は、介護職員による訪問と医師ら専門職との連携体制を今のうちに整理しておくと、改定後に動きやすくなると考えられます。