包括型訪問看護療養費とはどのような制度か

GemMedの発表・報道によると、厚生労働省は2026年9月25日、2026年度診療報酬改定に関する疑義解釈(その13)を公表しました。この中で、2026年度改定で新設された「包括型訪問看護療養費」の算定ルールに関する考え方が明確化されています。

包括型訪問看護療養費は、有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅といった「高齢者住まい」に併設・隣接する訪問看護ステーションが、末期がん・多発性硬化症・重症筋無力症・在宅腫瘍化学療法注射指導管理を受けている患者など重症の居住者に対して、24時間体制で計画的かつ随時の頻回な訪問看護を提供することを評価する新たな報酬です。従来の「訪問1回当たり」ではなく「1日当たりの訪問看護の時間」を基準とした包括評価となっており、単一建物の居住利用者数と1日の訪問看護時間の組み合わせで報酬額が設定されています。

「特別の関係」がある医療機関の往診等算定日は包括型療養費も算定不可

既存の訪問看護療養費に関するルールとして、訪問看護ステーションと「特別の関係」(開設者が同一、代表者が同一、代表者が親族等)にある医療機関が、往診料・在宅患者訪問診療料(I)・在宅患者訪問診療料(II)・在宅がん医療総合診療料・在宅患者訪問リハビリテーション指導管理料・在宅患者訪問薬剤管理指導料・在宅患者訪問栄養食事指導料のいずれかを算定した日には、当該ステーションは訪問看護療養費を算定できないとする「併算定不可」ルールがあります。

今回の疑義解釈では、この併算定不可ルールが新設の包括型訪問看護療養費にも同様に適用されることが明示されました。すなわち、訪問看護指示書を交付した医師が所属する医療機関と「特別の関係」にある訪問看護ステーションが、当該医療機関による往診料等の算定日に包括型訪問看護療養費を算定することは認められません。

実務上の確認ポイント

高齢者住まいに併設・隣接する形で訪問看護ステーションを運営している事業者、あるいはそうした施設への参入を検討している事業者にとっては、関係する医療機関との「特別の関係」の有無と、往診等が行われる日付の管理が請求上の重要な確認事項になります。包括型訪問看護療養費は2026年度改定で新設されたばかりの制度であり、実務運用において解釈が確認・整理されていく段階にあるため、厚生労働省が公表する疑義解釈の内容を継続的に確認することが求められます。