8割が看護師不足を実感、賃上げは7割が実施

PR TIMESの発表・報道によると、医療機関および介護施設を対象に実施された「看護師の働き方に関する調査2025」において、回答した事業者の約8割が現場で看護師不足を実感していることが明らかになりました。

人材確保・定着に向けた動きとして、賃上げを実施している事業者は約7割にのぼりました。また、働き方改革や定着促進に向けた何らかの取り組みを行っている事業者は半数程度となっています。一方で、退職者数は増加傾向にあることも今回の調査で示されており、賃上げや各種施策の実施にもかかわらず、離職に歯止めがかかっていない実態が浮き彫りになっています。

取り組みが進む中でも退職者が増える構造的なギャップ

今回の調査結果で注目されるのは、賃上げや働き方改革といった対策を講じている事業者が一定数存在するにもかかわらず、退職者が増えているという点です。賃金の改善だけでは解消しきれない要因が、現場の離職につながっている可能性を示唆しているといえます。

医療・介護の現場では、業務量の多さや夜勤負担、精神的なストレスなど、金銭的な待遇以外の面が働き続けられるかどうかを左右するケースも少なくないとされています。施設ごとの取り組みの「質」や「現場への浸透度」が、今後さらに問われてくるのではないでしょうか。

編集部の見解——現場で働く人・経営者が確認しておきたいポイント

一般に、看護師不足は医療・介護業界全体が長年抱える構造的な課題であると言われます。今回の調査結果はその深刻さを改めて数字で示すものであり、業界で働く方にとっても、経営・採用に携わる方にとっても、現状認識を共有するうえで参考になるデータではないでしょうか。

働く側の視点では、賃上げや働き方改革への取り組み状況は職場選びの重要な判断材料になり得ます。求人票の条件だけでなく、実際の職場環境や定着率・離職率についても、可能な範囲で確認しておくとよいでしょう。

経営・管理側の視点では、賃上げや制度整備といった「施策の導入」にとどまらず、それが実際に職員の満足度や負担軽減につながっているかを継続的に検証していくことが重要ではないかと思われます。退職者の増加傾向が示すように、取り組みの「見直しと改善のサイクル」を回し続けることが、人材定着の鍵になるという見方もできます。

医療・介護業界の人材をめぐる環境は引き続き厳しい状況が続くとみられます。今回のような調査データを業界全体の議論に活かし、現場レベルでの改善につなげていくことが求められているのではないでしょうか。