日看協が次期改定に向けて求める「2つの柱」
GemMedの発表・報道によると、日本看護協会(日看協)は2027年度に予定される次期介護報酬改定に向け、「看護師のさらなる処遇改善」と「看護小規模多機能型居宅介護(看多機)および訪問看護の評価充実」を重点事項として求める姿勢を明らかにしました。
看護小規模多機能型居宅介護とは、訪問・通い・泊まりの機能に加えて訪問看護を一体的に提供できる複合型サービスのことです。医療ニーズの高い利用者を地域で支えるうえで注目されていますが、運営上の収益性や人材確保の難しさが長年の課題として指摘されてきました。日看協の提言は、こうした現場の実態を踏まえたものと言えます。
なぜ今、看護師の処遇改善が改めて問われるのか
介護分野における看護師の処遇は、医療機関で働く看護師と比較して低い傾向があるとされ、人材の確保・定着を妨げる要因の一つとして認識されています。2024年度の介護報酬改定でも処遇改善加算(介護職員の賃金を引き上げるための報酬上の仕組み)の見直しが行われましたが、職種間の格差は依然として残っているとの声が現場から上がっています。
少子高齢化の進行により、医療的ケアが必要な高齢者の数は今後も増加が見込まれます。そのニーズに応えるためには、介護の現場で働く看護師を安定的に確保することが不可欠です。日看協が処遇改善の「さらなる」充実を訴える背景には、2024年度改定だけでは不十分という現場の強い危機感があります。
現場で働く人・これから働く人への影響と備え方
今回の提言が次期改定に反映されれば、訪問看護ステーションや看多機で働く看護師にとっては賃金水準の底上げにつながる可能性があります。また、看多機や訪問看護のサービス評価(報酬単価)が引き上げられれば、事業所の経営安定化を通じて雇用環境の改善にも波及することが期待されます。
一方で、改定の方向性が正式に決まるのはまだ先のことです。現場の管理者や経営者としては、今から審議の動向を継続的に追いながら、人員配置や給与体系の見直しをシミュレーションしておく準備期間として活用することが賢明です。
訪問看護や看多機への転職・就職を考えている看護師にとっても、この動きは追い風になり得ます。処遇改善が進めば、これまで敬遠されがちだった介護系の訪問看護分野の魅力が高まるためです。キャリアの選択肢として改めて視野に入れるタイミングと言えるでしょう。
2027年度改定に向けた議論は今後、社会保障審議会(厚生労働大臣の諮問機関)での審議を経て具体化していきます。日看協をはじめとする関係団体の提言がどこまで反映されるか、引き続き注目が必要です。